遺品整理は、作業を始めてからでは修正しにくい判断が多くあります。
気持ちの整理と実務の両方を並行して進める必要があるため、思っている以上に「時間」が重要になります。
ここでは、遺品整理を始める前に、ぜひ一度立ち止まって考えてほしい視点をまとめています。
まず、最初に知っておいてほしいことがあります。
遺品整理では、土日祝日は「日にちにカウントさできない」
そう考えておいた方が現実に近いです。
業者にとって土日祝日は基本的に休日です。
資源ごみの持ち込み施設も開いていません。
メールや問い合わせの返信も、その間は止まります。
こちらが「今週末に動こう」と思っていても、
業者側の時間は、月曜から動き始める
このズレが、想像以上に大きな影響を与えます。
少し強い言い方になりますが、大切なことなので正直に書きます。
何かを業者に依頼する可能性があるなら、できるだけ早く動いてください。
「時間がなくなったから業者に頼む」のではなく、
「時間があるうちに業者という選択肢を持つ」
これが、後悔しない遺品整理の一番のポイントです。
遺品整理では、
など、どうしても個人では難しい工程が出てきます。
それらを「必要になってから考える」と、
と、想像以上に時間を消耗します。
例えば、エアコンの取り外し一つでも、
この工程だけで、数週間があっという間に過ぎます。
宅配買取でも同じです。
「申し込めばすぐ終わる」と思っていたものが、
実際は 到着・査定・返送 を繰り返すうちに、時間だけが過ぎていきます。
私は、祖母の遺品整理を最終的に一人でやり切りました。
ですが正直に言えば、
など、「やるつもりだったこと」はほとんど何もできませんでした。
結果的に大きな問題が起きなかったのは、
ただ運が良かっただけだと思っています。
条件が少し違っていたら、と思うと今でもゾッとします。
器用で体力があり、作業が苦にならない人も確かにいます。
私もそのタイプでした。
ですが、それは決して多数派ではありません。
だからこそ、
「自分でやる/業者に頼む」どちらを選ぶにしても、
一日でも早く業者にアプローチしておくことをおすすめします。
時間があれば、選べます。
時間がなくなった瞬間、選択肢は消えていきます。
以下では、
「自分で遺品整理を進める場合に、特にネックになりやすい条件」を具体的に整理しています。
一つでも当てはまる場合は、
早めに業者を視野に入れる判断材料として参考にしてください。
( ※実際の遺品整理での状況は以下のページにまとめてあります)
自分での遺品整理で ネックになる条件
階段がある
これは、計画の段階で必ず一度確認しておきたいポイントです。
現地に 階段があるかどうか、エレベーターが使えるかどうか で、作業の負担は大きく変わります。
階段がある場合とない場合では、想像以上に差が出ます。
また、階段でなくても、台車から一度荷物を降ろさなければならない通路がある場合も同様です。
一つひとつは軽いゴミ袋でも、階段の上り下りが続くと疲労は一気に溜まります。
作業時間だけでなく、体力の消耗も計画に入れておく必要があります。
逆に言えば、
部屋の中からレンタカーまで、台車のままスムーズに移動できる環境であれば、
タンスや食器棚といった大型家具の運搬も、想像しているよりずっと簡単に感じることがあります。

また、解体できそうな家具であれば、あらかじめ解体してしまうことで、
階段があっても一人で運べるケースもあります。
ただし、その場合でも 何度も往復する手間と体力的な負担 は覚悟しておく必要があります。
「休みの日にやればいい」は、現実的ではないことが多い
マンションの一室など、比較的コンパクトな住まいであっても、
実際に遺品整理を始めると、食器・衣類・書類・雑貨・粗大ゴミなど、想像以上に多くのモノがあります。
それらをゴミ袋に入れていくだけでも、
一時的に置いておくスペースが必要になりますし、
部屋が狭い場合は、すぐに足の踏み場がなくなることも珍しくありません。
また、自分で整理を進める場合、多くは一般ゴミとして処分することになります。
そのため、一度に出せる量には自治体ごとの制限があります。
たとえば横浜市では、
45Lのゴミ袋で1回につき3袋までが、1週間に出せる上限です。
私の場合、資源ゴミ(古布・古紙・陶器・ガラス・プラスチック類など)を
ほぼ毎日のように持ち込みましたが、
持ち込み施設にも受付時間があり、日曜日は休みでした。
つまり、
「休日にまとめて一気に片付ける」
という進め方自体が、現実には成立しにくいケースも多いのです。
仮に親戚を集めて作業をするとしても、
ゴミの処分スケジュールや搬出の流れをきちんと整理しておかないと、
人手があっても思うようには進みません。
さらに、平日の仕事をこなしながらの遺品整理は、
精神的にも体力的にも負担が大きくなります。
「気力で乗り切る」という判断は、
思わぬ事故やケガにつながることもあり、
事故が起きてしまってからでは、節約の意味も失われてしまいます。
その点、業者に依頼して
1日、もしくは数日で片付ける前提で計画を立て、
自分は立ち会いや判断に集中する という方法は、
結果的に安全で合理的な選択になることも少なくありません。
賃貸で期限がある
賃貸物件の場合、遺品整理には明確な期限があります。
多くの賃貸契約では、解約の申し出は最低でも1か月以上前に行う必要があります。
つまり、「そろそろ片付けよう」と考え始めた時点で、
すでに時間の余裕はそれほど残っていないことが多いのです。
仮に1か月の猶予を確保したとしても、
その期間中は 何も含まれていない家賃 がそのまま発生します。
家賃には、
といったものは一切含まれていません。
そう考えると、
家賃を1か月分余分に支払うよりも、
業者に依頼して短期間で片付けてしまった方が、
結果的に負担が少なくなるケースも十分にあります。
また、期限が決まっていると、
どうしても気持ちが焦りがちになります。
焦った状態で無理に作業を進めると、
ケガや事故につながりやすく、
後からやり直しがきかない判断をしてしまうこともあります。
賃貸で期限がある場合は特に、
「どこまでを自分でやるのか」
「どこからを業者に任せるのか」
を、できるだけ早い段階で整理しておくことが重要です。
距離がある(ガソリン代)
遺品整理の現場が自宅から離れている場合、
移動にかかるコストと負担も、無視できないポイントになります。
最初は
「何度か通えば何とかなる」
と考えがちですが、実際には往復の回数が重なるにつれて、
ガソリン代は思っている以上にかさんできます。
少しずつ作業を進めるつもりでも、
結果的に何度も足を運ぶことになり、
気づけば数万円単位の出費になっていることも珍しくありません。
さらに、その移動にかかる時間と体力は、
すべて自分で負担することになります。
距離がある現場では、
「今日はここまで」と区切りをつけにくく、
作業効率も下がりやすくなります。
そうした状況で、
処分費用や作業負担をすべて自分で抱え込むよりも、
業者に依頼して一度で終わらせる方が、
費用対効果が良くなるケースも少なくありません。
距離がある場合は特に、
ガソリン代だけでなく、
時間・体力・精神的な消耗も含めて、
全体のコストを考えることが大切です。
節約といえど基本は被相続人から
節約を意識すること自体は、決して悪いことではありません。
ただ、遺品整理にかかる費用については、
誰が負担するものなのかを一度整理して考えてみる必要があります。
多くの場合、遺品整理にかかる費用は、
亡くなられた方の財産から支払われることになります。
相続財産は、相続人のみに法定相続分で分けられるのが基本です。
私のように「孫」の立場の場合、相続人ではありません。
仮に、
「自分が頑張って節約すればいい」
と思って作業を引き受けたとしても、
節約できた分が自分に戻ってくるとは限りません。
作業をしていない相続人の取り分が増えるだけ、
というケースも現実には起こります。
もちろん、事前に作業代や費用の分担について
きちんと話がついている場合は別です。
ですが、そうでない場合に、無理をしてまで節約する意味があるのかは、
一度冷静に考えてみてもいいと思います。
片付けを任された側が、
体力や時間を削り、リスクを背負ってまで作業を続ける必要はありません。
無理を重ねるよりも、
業者に依頼して安全に終わらせる方が、
結果的に全員にとって穏やかな選択になることもあります。
作業が苦手
私のように、片付けや作業そのものが苦にならないタイプであれば、
遺品整理も比較的スムーズに進められるかもしれません。
ですが、世の中には
作業が得意ではない人、苦手意識が強い人がたくさんいます。
これは能力の問題ではなく、単純に向き・不向きの問題です。
たとえば、
「家具の組み立てが苦手」
「段取りを考えるのが得意ではない」
という方にとっては、
そのすべてが、想像以上に大きな負担になります。
作業に慣れていない状態で無理をすると、
物を落としたり、足元が不安定になったりと、
事故につながるリスクも高くなります。
そして、事故は一度起きてしまうと、
節約どころではなくなってしまいます。
「できなくはないけれど、得意ではない」
そう感じている場合も、
無理をして最後まで自分でやり切る必要はありません。
作業が苦手だと感じる方こそ、
早い段階で業者を視野に入れておくことで、
安全に、そして落ち着いて遺品整理を進めることができます。
業者に依頼する際の本当のデメリットは「時間の主導権」
業者に依頼する場合のデメリットとして、
よく「費用」が挙げられますが、
実際に大きな影響が出るのは スケジュール調整 です。
特にマンションなどでは、
管理事務所への申請や、トラックの駐車許可など、
第三者を含む調整が必要になることもあります。
こうした調整は、
こちらの都合だけでは進まず、
時間的な余裕があるかどうかで進行が大きく変わります。
土日祝日は、実質的に動かない日と考える
土日祝日は、業者が休みであることも多く、
マンションの管理会社が平日のみ対応というケースもあります。
この組み合わせによって、
カレンダー上は「1か月あっても」、
実際に話が進む日は想像以上に少なくなります。
「まだ時間がある」と考えず、
アポイントは早い段階から動き始めることが重要です。
業者が視野にあるなら、最初からあたりを付ける
どの業者も、プロとして日々予定を組んでいます。
そのため、連絡を後回しにすると、
思った以上に日程が取れないことがあります。
特に、
粗大ゴミや大型家具などの大物作業は、
トラックや人員の確保が必要になるため、
早めの相談が前提になります。
余裕があれば、
複数社から見積もりを取ることも可能ですが、
途中であきらめて連絡をすると、
比較する余地がなくなってしまいます。
見積もり一つ取るにも、
電話相談・下見・費用算出と、
実際には何日もかかるのが普通です。
大物の予定にあわせて、小物の整理を進める
業者の下見や打ち合わせにあわせて、
自分たちでできる範囲の作業を少しずつ進めていきましょう。
大きな家具を出す前には空っぽにしないといけませんし、搬出の通路も確保しないといけません。
先の予定を考えて必要な部分から手を付けていくと効率的です。
エアコンなどの小工事も、すぐにはできない
「片付いたらエアコンを外してもらおう」
そう考えるのは自然ですが、
エアコン業者も基本的に予定を埋めています。
土日祝日を挟むと、
来週に来てもらえれば早い方、
というケースも珍しくありません。
実際には、
2〜3週間程度の余裕を見ておかないと、
こちらが焦ることになってしまいます。
なお、エアコンの取り外し自体には資格は不要なため、
自分で行う、または身近な器用な人に頼む、
という選択肢もあります。
まとめ
業者に依頼する場合、
こちらが「急いでいる」状態になるほど、
選択肢は少なくなります。
逆に、
時間的な余裕があればあるほど、
業者側の調整・提案を受けながら進めることができます。
業者に頼む・頼まないの判断以上に、
いつ動き始めるかが、
遺品整理全体の進み方を左右します。
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